UV硬化技術の展開

UV照射装置を利用することでUV硬化技術が幅広く利用されていますが、特にこのUV硬化(UV Curing)は、あらゆる産業分野で行われているインキ・コーティングや接着剤などの硬化を、熱の代わりに行うということで注目すべき光化学プロセスとなっています。

 

UV硬化プロセスは「光重合」と呼ばれる化学反応です。これはUV光によってモノマーをポリマーに相変化させる技術のことで、UV硬化材料は一般的に、モノマー、オリゴマー(プレポリマー)、光開始剤とその他の添加剤で構成されているのですが、UV光の照射を受けることで光開始剤はすぐに励起(反応)して、このエネルギーがモノマー(液体)をポリマー(固体)に転換させるのです。

 

UV硬化の最大の特徴は時間がかからないことで、更には廃棄物が少なく、エネルギー消費も少なく、公害物質の発生面において非常に優れた技術と評価されています。ちなみにUV照射装置を使ったUV硬化の特徴をまとめてみますと、環境対応性では基本的に無溶剤でVOC・HAPの発生が無くCO2低減効果がある点、空気浄化のための設備が不要な点、硬化時間は1秒以下で、瞬時に液体から固体に化学変化する高生産性の点、熱に弱い基材上への処理も可能な低熱性の点、皮膜特性の物性改善(粘度、耐磨耗性、耐汚染性、耐候性、艶度、密着性、柔軟性など)による品質安定性、機上に残ったUV硬化材料が翌日そのまま使用可能な省廃棄性の点、などとなり、実に多くのメリットが生まれるわけです。

 

又、始業終業作業での即時性に優れ、熱の発生が僅かで、年間エネルギーコストは熱硬化の5分の1に抑えられます。設備のスペースも複雑で大型のヒートトンネルは不要なので、設置床面積が大きく削減できます。 こうした優れたUV硬化に利用されていることがUV照射装置の特徴ということになるでしょう。